まちなか再生事業事例紹介


 福井県あわら市(あわら湯のまち駅前多目的用地)
  〜地域再生マネージャー制度の活用によるまちづくり〜

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1) 事業概要および特徴

あわら温泉は、以前は県内外の団体客を中心に100万人以上の宿泊客があったが、バブル崩壊とライフスタイルの変化に伴い宿泊客が減少し、廃業する旅館が出てくるようになった。調査対象の遊休地は、平成9年に旅館が廃業し、すぐに更地となり、夕市の開催等イベント用多目的用地と、駅利用者の駐車場として利用されている。現在、地域のグループ「あわら湯けむり創生塾」を中心に市、旅館組合、商工会等が一体となってまちおこしに取り組んでいる。

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2) コンセプト、誘致店舗・テナント

地域の宝である芦原温泉と周辺地域の自然食、歴史等を連携させ、滞在型の温泉観光地を目指している。具体的取組として「あわらの地域ブランド」の創造を目的とし、「あわら湯けむり創生塾」を創設、「あわら温泉湯めぐり手形」の発行、ビジネスセンター「おしえる座ぁ」の設置をはじめ、レンタルサイクル事業、屋台村の設置等の実施に取組んでいる。

駅前多目的用地 ビジネスセンター「おしえる座ぁ」
駅前多目的用地 ビジネスセンター「おしえる座ぁ」

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3) 事業遂行上のキーパースンとその役割

あわら湯けむり創生塾塾長 前田健二氏(旅館社長)

これまで個別に活動していた、旅館組合、商工会、農業協同組合の枠を超え、若手中心に10年後の温泉街を考えていくために横断型組織として同塾を結成、また、地域再生マネージャー吉川博(近畿日本ツーリスト社員)氏も大きな牽引力となっている。

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4) 行政、民間、コミュニティ等のコラボレーションについて

これまでは旅館組合、商工会、農業組合と組合ごとのつながり以外なかったが、創生塾ができたことによって、行政とのコラボレーションが進んだ。しかし、現在の遊休地の活用はコラボレーションだけでは解決し難い問題である。

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5) 成功(失敗)の要因

旅館組合はまとまりがあるが、実際は温泉全体のことよりも個々を優先させた結果、まちの回遊性がなくなり、「囲い込み型」となってしまっている。賑わいのあるまちにするためには、観光客が外に出歩くようなまちでなくてはならないが、客を外に出すという各論では賛成とならず、このような現状への危機感の欠如は再生が進まない一要因であると言える。また、自治体財政の悪化と自治体合併により、問題の遊休地が棚上げになっている。

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6) 苦労した点、課題

駅に近い老舗旅館は勢いがなくなっている。一方で周辺の新しい旅館は対応が早いので勢いがある。結果として駅前中心部の賑わいがなくなっている。また、老舗旅館と新しい旅館との壁ができて、温泉旅館全体が一体となることが難しい。一体となって共同のまちづくり会社設立や遊休地に適した施設の建設を進めなければならない。さらに、現状では、旅館の料理に地元の食材があまり使われていなかったり、販売しているお土産も他県からの納入が多いので、オリジナル商品の開発等により地産地消を進めている。

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7) 権利者調整について

現在の遊休地は平成9年に廃業した旅館の跡地を競売により銀行が購入し、その後、旧芦原町が購入した。現在はあわら市が所有。

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8) 事業性(採算性)確保のための方策

9) 現状の政策支援の評価

これまでなかなか聞く耳を持たなかった旅館関係者が、旅行業界の第一線で活躍していたマネージャーが入ることによって、温泉街再生計画に関して、聞く耳を持つようになった。但し、専門分野以外の部分(ハードの部分)がなかなか進まないので、まちづくりにおいては多様な専門分野のアドバイスがあった方が良いように思われる。一方、あわら湯けむり創生塾が活用している福井県地域ブランド創造活動推進事業はソフト的な活動事業以外には使えないため、歩道景観の整備など簡易なハード環境の整備などにも使えるとよい。また、簡易なハード環境を整備できるような補助があるとありがたい。

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10) 新たにどのような政策支援が必要か

地域再生マネージャーは1年目に調査と体制づくりに費やされてしまい、実質的には残りの2年となってしまう。徐々に成果が出てきているので、再建途中で地域再生マネージャーがいなくなったときのことを危惧している。この後をフォローできるような人材の派遣制度があるとありがたい。

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11) その他


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