ふるさと融資は、地域振興に資する民間投資を支援するために、都道府県や市区町村が長期の無利子資金を融資する制度であり、ふるさと財団では案件の調査、検討や貸出実行等についての事務を行っています。
本号では、県のブランディング戦略に繋がる寿司職人養成学校を富山市内に整備し、寿司職人の養成や、観光客の誘致を行うなど、寿司をフックに富山の魅力を発信する取組みに寄与する事例をご紹介します。
地域の特色
富山県は、美しく豊かな自然環境に恵まれ、多種多様な動植物が見られます。また、天然の巨大なダムともいえる山々からは、1年を通じて豊かできれいなおいしい水が生まれ、暮らしや産業を支える重要な資源となっています。この恵まれた水環境と、天然の生け簀と呼ばれる富山湾の恩恵により、全国に誇る美味しい魚介類が豊富に揃うなど、独自の豊かな食文化が根付いています。富山県と長野県を結ぶ世界有数の山岳観光ルートである「立山黒部アルペンルート」の見事な景観とともに、この豊かな「水」と「食」の魅力は多くの観光客を惹きつけています。

©(公社)とやま観光推進機構
事業の背景
富山県では3,000m 級の山々が連なる立山連峰から水深1,000m を越える富山湾に至るまでの高低差4,000m のダイナミックな地形を持ち、天然の生け簀といわれる富山湾に豊富な魚種がひしめきあっています。
この恵まれた地形などの強みを生かす「寿司といえば、富山」ブランディング戦略の一つとして、不足する寿司職人の育成や、寿司をはじめとする富山の食文化の継承のため、富山ならではの付加価値のある寿司職人養成学校の設立が望まれていました。
事業の概要
地元で鮮魚仕入れ・卸・小売りを中核に行っている企業が、富山で寿司職人を養成する学校をつくりたいという想いから、東京すしアカデミーに協力を仰ぎ、運営会社を設立し、古民家を改修して本事業を整備することになりました。令和8年3月にすし職人学校「北陸すしアカデミー」を開校し、7月現在で第2期までに15人の卒業生が生まれました。卒業生は、県内のグルメガイド掲載店で働いたり、本アカデミーで習得した技術をタレント活動に活かしたり、多彩な活躍をしています。活躍の場は、県内の寿司店はもちろん、東京すしアカデミーからの斡旋による県外の寿司店、さらには和食の技術も習得できることから寿司店以外にも広がっています。



地域振興への期待
本アカデミーで学んだ卒業生が、県内外で富山の寿司の魅力を発信することにより、富山県への認知が高まり、愛着を持って富山に関わる「幸せ人口」を増やしていくことに寄与することや、1日体験教室を実施することで、新幹線開通や海外有名誌にて「2025年に行くべき52カ所」に選ばれたこと等により増加しているインバウンド観光客を満足させることが期待されます。空港に「富山高山すし空港」という新たな愛称がついたこととあわせて、「寿司といえば、富山」ブランディング戦略に沿う事業となります。
富山県のコメント
富山県では、これまで10件のふるさと融資を活用してきております。本件のほかにも、病院建設、放送設備整備など、地域の課題解決に資する事業に対して貸付を行っています。
ふるさと融資は、地方自治体が地方債を財源として事業者に無利子の資金を提供することで、金利負担を大きく低減できる力的な融資制度です。ふるさと融資の活用により、市内の事業者の発展・成長に寄与できることは、地域経済活性化に直結するものであり、今後も幅広い分野で活用事例が生まれるよう、市の各部局で連携を図ってまいります。
北陸銀行のコメント
北陸銀行はこれまでもふるさと融資に保証金融機関として多数参画してきました。今回は、ふるさと融資の保証を通じて、富山県のブランディング戦略に資する事業に貢献できました。今後も企業の金融の円滑化を目指し、各地方公共団体様と連携し、ふるさと融資を通じて企業の成長や地方創生に積極的に貢献してまいります。
北陸すしアカデミー株式会社
| 貸付団体 | 富山県 |
|---|---|
| 事業地 | 富山市(富山県) |
| 事業費 | 127百万円 (うちふるさと融資50百万円) |
| 新規雇用増 | 5名 |
| 予算年度 | 令和7年度 |
この事業は「ふるさと融資」を活用しています。詳細はこちら。