令和7年度ふるさと企業大賞「社長に聞く」-地酒で地域に価値を生み出す「地方創生蔵」の挑戦。

 北海道・上川町に酒蔵を建て、町に人を呼び込む施策で全国的に注目を集めている(株)上川大雪。代表の塚原敏夫氏は、酒蔵を起点とした地域経済の活性化に意義を見出し、「北海道の酒蔵・地酒を増やすこと」に熱意をもって取り組んでいます。

INTERVIEW

株式会社上川大雪
代表取締役社長
塚原 敏夫
(つかはら としお)氏

 

地域限定の日本酒を製造町全体をブランド化する

 上川町は北海道のほぼ中央に位置し、一年の半分は雪で覆われる町です。私はこの町でレストラン事 業をはじめましたが 、冬の間は大雪の影響でお客様も少なく、開店休業状態が常でした。このままでは営業の継続は難しいと考えていた頃 、三重県四日市市の酒蔵を営んでいた友人との再会がきっかけで冬の事業として酒造の検討を始めました。酒造りのメインは冬ですし 、上川町周辺は米どころで水もきれい。地酒を造るには最適な環境だと思い、事業を始めることにしました。

 上川町に酒蔵ができるということ で 、町長をはじめ町役場の人たちはとても喜んでくださり、多大な協力をいただきました。酒蔵に「 上川 」の名を冠したことで、より積極的に応援していただけたのだと思います。

 私たちの酒蔵だけ有名になっても意味はなく、町ごと有名になるようなブランディングで人を呼び込むことが重要だと考え 、酒蔵のコンセプトを「地方創生蔵」としました。
「緑丘蔵」の名称で平成29年に操業開始。「神かみかわ川」と名付けた地酒を造りましたが、販売は上川町のコンビニや酒屋などに限定しています。取り組みが全国的に注目され 、自治体や企業などから年間100組以上が蔵へ視察に訪れるようになりました 。視察に対応するため、ふるさと融資を活用して令和元年に蔵の隣に売店を併設した建物を建てましたが、その売店でも「神川」は販売せず、購入希望者には販売店を示した町内マップを渡しています。
 “町を回遊するよう促し、利益を還元する”という戦略により観光客が増え、町の小売店の売上もアップしました。競合になるのではなく、ともに発展していくことが私のねらいです。

緑丘蔵外観。旭川市の旭山動物園をひんとに、酒造りの工程を外から見学できる構造。
緑丘蔵の酒造りを背負って立つ小岩隆一杜氏。「小さな蔵なので大量生産はできないが、お客様に常に新鮮なお酒を届けられる」と話す。

北海道に酒蔵を増やし地酒で地方創生を後押し

 「我が町にも酒蔵を作りたい」と熱意あるお話を頂き、令和2年に帯広市の帯広畜産大学構内、令和3年に函館、現在は網走に酒蔵を建設中です。利益を追求するだけなら、一つの蔵で増産をすればいいのですが、それでは地域貢献になりません。今、北海道の地酒消費量は酒類全体の2割ほどに留まり 、割 合を増やすためには、酒蔵の数を増やすしかないと考えています。

 緑丘蔵を建てた当時、道内にわずか11軒だった酒蔵が今では約20軒にまで増えそうな勢いです。これは全国的に見ても珍しいことです。今後地酒が盛り上がれば北海道の観光産業はさらに活気づき、ホテルや旅館、飲食店、農業、漁業、みんなが潤います。

 また、地方創生のためには産学連携も欠かせません。帯広畜産大学では当社の川端総杜氏が客員教授を、小樽商科大学では私が特認教授を務め、未来の杜氏の育成も目指します。今後も“上川町に行かなければ手に入らないお酒”として、町とともに価値を高めていきたいと考えています。「北海道に行ったら、地元のおいしい料理と『神 川』が飲みたい」と言われる、そんな地酒になるのが目標です。

上川町でのみ販売している地域限定酒「神川」。

上川町役場
未来想造課 政策推進係長
菅家 祐太 (かんけ ゆうた) 氏

 上川町では「上川町第10次総合計画」において、「地域の特性を生かした活力あるまちづくり」として、地域ブランド化の推進や観光業・農業・商工業の振興を掲げており、総合計画の重点施策として「上川町の魅力向上」が掲げられています。
 株式会社上川大雪は、上川大雪酒造株式会社を「地域創生蔵」と銘打ち、「地域に根ざした酒蔵」として上川町の活性化に大きく貢献・関わりを持ち、上川町の産業・経済・雇用を支え、上川町のブランド価値を高める地域活
性化の中心的存在です。
 令和4年には町の施設である「たべもの交流館」の運営を受託し、チーズ工房として上川町産の生乳100%をその日のうちに加工し、販売まで行っています。優れた事業の開発力と質の高さによる顧客満足度も高く、世界最大級の技術コンテストWCCC 2026WORLD CHAMPIONSHIPCHEESE CONTESTカマンベール部門(Class 31: Camembert)において見事第1位(Best of Class)を獲得するなど、上川町のまちづくりの牽引役として大きな存在となっており、今後もさらなる発展を遂げられることを期待しております

〒060-0005 北海道札幌市中央区北五条西5丁目7番
sapporo55ビル3階 小樽商科大学札幌サテライト内(本社)
TEL:011-211-5933(札幌オフィス)

上川大雪グループの経営管理、酒造・醸造等の教育及び研究

平成24年
町おこしの一環として、上川町で飲食事業を開始。
平成29年
三重県の日本酒製造事業者を買収し、北海道上川町へ酒蔵を移転し、日本酒の製造を開始。
平成30年
上川町に清酒倉庫兼焼酎製造施設・店舗建設 ※推薦事業(ふるさと融資活用54百万円)
令和2年
日本初の大学内(帯広畜産大学)での日本酒製造事業を開始。

カマンベール・キヨミ

 世界の強豪が集うコンテストで 金賞に輝き、あの三國清三シェフをも虜にした奇跡の逸品です。地元の生乳を贅沢に使い、職人が手作業で丁寧に育てるチーズは、驚くほどなめらかで上品なミルクのコクが広がります。初心者から愛好家までを魅了する世界が認めた絶品チーズ。
 メディアも大注目の“今一番手に入らない”幻の味を、特別な日の食卓や大切な人へのギフトに選んでみませんか?

黒岳ロープウェイ

 秋も深まる10月の層雲峡では、「山頂の冬」と「麓の秋」が織りなす奇跡の絶景に出会えます。気候によっては山頂付近に雪が舞い降り、白銀の世界が広がることも。
 そしてロープウェイから下を見渡せば、息をのむほど鮮やかな「黄色の絨毯」が一面に広がります。
 針葉樹や紅葉樹が美しく染まり、山を黄金色に
埋め尽くす光景は、圧倒的な美しさです。

この事業は「ふるさと融資」を活用しています。詳細はこちら。