中心市街地活性化を目的としたビジネスホテル建設事業

ふるさと融資は、地域振興に資する民間投資を支援するために、都道府県や市区町村が長期の無利子資金を融資する制度であり、ふるさと財団では案件の調査、検討や貸出実行等についての事務を行っています。

本号では、中心市街地である雲南市三みとやちょう刀屋町にビジネスホテルを建設し、市外からのビジネス客・観光客の取り込みを図り、中心市街地活性化計画に掲げた「魅力的な交流拠点と環境整備による交流人口の増加」に寄与した事例をご紹介します。

東京都に本社のある上場企業が地域の課題解決を目的としてふるさと融資を活用した事例となります。

地域の特色

 雲南市は、平成16年に6町村合併によって誕生しました。島根県の東部に位置し、南部は広島県に接しています。市の南部は毛無山(1, 062m)を頂点に中国山地に至り、北部は出雲平野に続いていることから、標高差が大きくなっています。市内には、斐伊川本流と支流の赤川、三刀屋川、久野川、その支流である阿用川、吉田川などが流れています。加茂町から大東町、木次町、三刀屋町にかけて、斐伊川と赤川、三刀屋川の合流地点を中心とした平坦部が広がっていますが、吉田町、掛合町では中国山地に至る広範な山間部を形成しています。県都松江市と出雲市の南に隣接し、通勤や通学、商圏など社会的および経済的に大きなつながりがあります。平成26年度に中国横断自動車道尾道松江線が全線開通し、新たに山陽、四国方面と高速道路で結ばれ、産業や観光の分野において、さらなる交流の促進が期待されます。

 ヤマタノオロチ伝説で知られる斐伊川が流れ、各地に神話や伝説、神楽などが伝承されており、加茂岩倉遺跡や神原神社古墳をはじめとした多くの遺跡や古墳が発掘されています。また、山陰と山陽を結ぶ主要街道上に位置することから、陰陽を結ぶ交通の要衝として栄えてきました。

事業の背景

 雲南市では平成30年度にまちづくり会社に対するふるさと融資を活用するなどして中心市街地の整備を進めてきましたが、その仕上げとして中心市街地活性化計画に掲げられるホテルの誘致を進めてきました。同市は交通の要衝であり、多くの観光スポットを有していますが、同市内を訪れた観光客やビジネス客が宿泊せずに他エリア(松江、出雲に流れてしまっており、宿泊施設の充実が望まれていました。

事業の概要

 中心市街地の整備の仕上げとして商業エリアの一角にビジネスホテルを誘致し、市と事業者との度重なる協議を経て、地上5階建て・客室数94室のビジネスホテル「天然温泉 三刀屋の湯 ドーミーインEXPRESS 出雲の國 雲南」を建設いたしました。事業者は給食事業から発祥し、ホテル・寮の2事業をメインに全国展開しており、特にビジネスホテルにおいては、温泉大浴場・質の高い朝食・夜鳴きそば等の特長的なサービス、くつろげる快適な空間の提供等により競合他社との差別化を図り、ビジネス客にとどまらず人気を集めています。

全室シモンズ社製ベット完備のツインルーム

地域振興への期待

 年間100万人を超える観光客を数えながら宿泊施設が万全でないために、宿泊客が他エリアに流れてしまっていた地域課題の解決に貢献し、中心市街地の活性化や賑わいの創出にも寄与することが期待されます。

雲南市のコメント

雲南市では、これまで15件のふるさと融資を活用してきております。本件のほかにも、中心市街地商業施設整備、工場、病院・福祉施設建設など、地域の課題解決に資する事業に対して貸付を行っています。また、ふるさと財団のふるさと再生事業を活用して、中山間地域における若者支援プラットフォームづくりにも取り組んでいます。

ふるさと融資は、地方自治体が地方債を財源として事業者に無利子の資金を提供することで、金利負担を大きく低減できる力的な融資制度です。ふるさと融資の活用により、市内の事業者の発展・成長に寄与できることは、地域経済活性化に直結するものであり、今後も幅広い分野で活用事例が生まれるよう、市の各部局で連携を図ってまいります。

三井住友銀行のコメント

三井住友銀行はこれまでもふるさと融資に保証金融機関として多数参画してきました。今回は、ふるさと融資の保証を通じて、雲南市の中心市街地の活性化に貢献できました。今後も企業の金融の円滑化を目指し、各地方公共団体様と連携し、ふるさと融資を通じて企業の成長や地方創生に積極的に貢献してまいります。

事業地島根県 雲南市
事業費2,151百万円
(うちふるさと融資1,170百万円)
新規雇用増26名
貸付団体雲南市
予算年度令和7年度

この事業は「ふるさと融資」を活用しています。詳細はこちら。