
CONTRIBUTOR
山口県知事
村岡 嗣政(むらお つぐまさ)氏
本州の西端に位置する山口県は、三方が海に開かれ、日本最大級のカルスト台地が広がる秋吉台や、錦帯橋、瑠璃光寺五重塔、松村塾などの歴史的名所、国内外から注目を集める地酒など、豊かな自然環境と多彩な観光資源に恵まれています。また、瀬戸内海沿岸には、重化学工業を中心とした産業が発達し、地域経済を支えています。
こうした強みを活かし、潜在力を引き出して大きく伸ばし、山口ならではの豊かな未来を実現していくため、産業力の強化をはじめとした様々な挑戦を重ね、企業誘致による成長産業の集積や県産農林水産物等の輸出拡大、移住者数の増加など、多くの成果を積み上げてきました。
一方で、若者や女性の転出超過やそれに伴う人手不足には歯止めがかかっておらず、人口減少が加速度的に進行しており、この影響は一層顕在化していくことが予想されます。
こうした直面する課題に果敢に挑戦し乗り越えていくため、これまでの取組の成果を基盤に、強い産業による経済面の成長と、その成果を暮らしの安心へと繋げ、互いに高め合いながら、社会全体が持続的に発展していく「成長と安心の好循環」の実現を目指していきます。
本県の最大の強みは、瀬戸内海沿岸を中心とした産業集積であり、それを支える道路や港湾等の基盤、豊富で安価な工業用水など、優れた立地環境が既に整っています。また、脱炭素化に向けて、コンビナート企業間の連携や全国に先駆けた取組を行うなど、他にはない大きなアドバンテージを持っています。
現在、国が進めている「GX 戦略地域」の指定は、本県の「稼ぐチカラ」を飛躍させる大きなチャンスであり、この選定を勝ち取り、世界からの投資を呼び込み、日本有数のGX産業拠点の形成を目指すとともに、半導体等の成長産業の集積を一層加速させていきます。
観光分野では、今年4月に「Mine秋吉台ジオパーク」が国内11番目となるユネスコ世界ジオパークに認定されました。秋には、本県出身の作家宇野千代さんをモデルとしたテレビドラマが放送予定であり、さらに国内最大級の大型観光キャンペーン「山口DC」(開催期間:10/1~12/31)が、9年ぶりに開催されるなど、本県の魅力を国内外に広く発信できる絶好のチャンスが訪れています。この好機も追い風に、観光のみならず、様々な産業力を伸ばしながら、本県の「稼ぐチカラ」を一層押し上げていきます。
そして、こうした産業力の強化で得られた成長の果実を、子育てや教育、医療、福祉、地域交通など、県民生活を支える様々な分野、そして暮らしの隅々へと確実に行き渡らせ、県民誰もが不安なく暮らせる「人生100年を支える『安心』」を確立していきます。
私は、成長が安心を生み、その安心がさらなる成長の後押しをしていく「成長と安心の好循環」を創り上げ、県民の誰もが豊かさと幸せを実感できる山口県の実現に全力で取り組んでいきます。