ふるさと企業大賞「社長に聞く」‐持続可能なバイオマス発電で地域の未来に貢献する

 愛知県豊橋市で、バイオマス発電所を運営するサーラeパワー株式会社。地域への安定した電力供給を支え、母体となるサーラグループとともに地域社会の発展に貢献しています。代表の藤田尚弘氏にお話を伺いました。

INTERVIEW

愛知県豊橋市
サーラeパワー株式会社
代表取締役社長
藤田 尚弘(ふじた なおひろ)氏

「安心・安全」を最優先 地域の電力を支える存在

 当社は平成28年設立、令和元年に愛知県豊橋市新西浜町で「東三河バイオマス発電所」の操業を開始しました。発電出力は22,100kW、これは一般家庭約4万世帯分の年間消費電力量に相当し、豊橋市の全世帯の約4分の1をカバーできる規模です。バイオマス発電は、天候に左右されず、24時間、年間約330日(点検整備のため30日程度停止)安定して電力を供給できる再生可能エネルギー電源である点が大きな特長です。事業立ち上げ時には豊橋市を通じて「ふるさと融資」を活用しており、公共性の高い事業として自治体から信頼をいただいています。

 主燃料として年間約14万トンのPKS(パームヤシ殻)を東南アジアから輸入し、副燃料として、東三河や近隣地域の間伐材などの未利用木材を年間約1万トン、さらに、豊橋市内外の街路樹や公園から発生する剪定枝も年間約200トン受け入れています。これらをボイラーで燃焼させて蒸気を発生させ、タービンを回して発電を行う、これがバイオマス発電の大まかな仕組みです。発電した電気はFIT(固定価格買取)制度を通じて送配電網へ供給され、地域の電力として活用されます。
 発電所で最優先となるのは「安全・安心」です。当社では中央制御室で24時間体制の監視を行い、排ガス・騒音・振動などの環境基準も遵守するよう管理しています。またBCP(事業継続計画)の観点から、燃料の備蓄を実施。災害時でも地域のエネルギー供給を守れるよう体制を整備しています。

発電所の巨大なボイラー棟。大型クレーンでボイラーに燃料(木質バイオマス)を投入し、最高850℃になる熱で燃焼させ、発電のための蒸気を発生させる。

地域との絆が原動力 貢献活動を続けていく

 当社の母体であるサーラエナジーおよびサーラグループは、明治の創業以来110年以上にわたり、東三河や遠州に根ざして事業を続けてきました。当社はこの絆をとても大切にしており、地域貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

 たとえば、次世代への環境教育として、地元小中学校で出前授業を実施。バイオマス発電の仕組みや使命をわかりやすく伝えることで、子どもたちのSDGs(持続可能な開発目標)への理解を深め、環境やエネルギーを将来の課題として考える機会を提供しています。

 また地元消防と連携した災害対応訓練も行い、地域と連携した防災力向上にも取り組んでいます。地域の暮らしに寄り添い、ともに発展してきたという自負と信頼こそが私たちの原動力です。

出前授業を実施した学校からはお礼の手紙が届く

資源を有効的に利活用 未来に向けて歩を進める

  当発電所の運営は「エネルギーの地産地消」と「廃棄物削減」を柱としています。豊橋市の剪定枝の受け入れは未利用資源をエネルギーへ転換する取り組みであり、循環型社会の形成に寄与しています。また国際的な第三者認証「GGL 認証」を取得し、持続可能性が確認されたバイオマス燃料のみを調達。さらに、発電過程で生じる焼却灰の有効活用も進めており、現在は約9割をコンクリート原料などに再利用しています。昨年には普通肥料としての認定も取得し、今後は農業分野での活用にも取り組んでいく予定です。

 このたびのふるさと企業大賞の受賞は、当社の事業が地域貢献につながっていることを認めていただいたものと受け止めており、身の引き締まる思いです。今後は豊橋市が進める「SDGs 未来都市」の実現に向け、サーラグループの力も活かしながら、脱炭素社会に向けた取り組みを進めていきたいと考えています。地域にとって「なくてはならないパートナー」であり続けられるよう、努力してまいります。

発電所内の設備はコンピュータで自動制御。中央制御室で24時間監視し、安全稼働を支える。

豊橋市産業部商工業振興課
経営支援グループ 主査
松岡 大策 氏

  サーラeパワー株式会社様(以下、同社)は、愛知県企業庁が整備した御津2区工業団地にて、環境負荷の低い木質バイオマス発電事業を展開し、安定した電力供給により、豊橋市をはじめとした東三河地域の生活基盤を支え、地域の脱炭素社会の実現に貢献されている企業です。

 豊橋市は、ふるさと財団様のご協力を得て、「ふるさと融資」の初めての案件として、平成30年度に同社が新設したバイオマス発電所に融資を行いました。

 建設された発電所は24時間稼働するため、同社はオペレーター等を新規雇用したほか、主燃料のパーム椰子殻の輸送や港での荷役業務、副燃料として利用している奥三河等の未利用材のチップ化など、様々な産業の活性化が図られており、地域の雇用創出にも繋がっています。

 また、地元自治体と連携して、道路や河川、公園などの公共施設で発生した剪定木や伐採木を燃料として年間200トンを受け入れ、行政の廃棄物削減に取り組んでいるほか、小中学校への出前講座や、地元消防と連携した大規模な火災訓練など、地域密着企業として社会貢献活動に積極的に取り組んでいただいております。

〒440-0888
愛知県豊橋市駅前大通一丁目 55番地サーラタワー
TEL:0532-57-7715

再生可能エネルギー(バイオマス)による発電事業および電力の供給・販売

明治42年 豊橋瓦斯株式会社創立
昭和18年 浜松瓦斯株式会社と合併し中部瓦斯株式会社が設立
平成28年 中部瓦斯株式会社が発電事業を担う子会社としてサーラeパワー株式会社を設立
     中部瓦斯株式会社がサーラコーポレーションの完全子会社となる
令和元年 東三河バイオマス発電所稼働開始 ※推薦事業(ふるさと融資活用1,050百万円)

手筒花火
 豊橋市の吉田神社発祥とされる歴史ある花火で、揚げ手が花火の筒を脇に抱え、巨大な火柱を噴出させます。最後に「ハネ」と呼ばれる炎が轟とともに足元に噴き出す、勇壮な花火で知られています。
市電(路面電車)

豊橋市は東海地区で唯一、路面電車の走るまちです。市民からは、「市しでん電」の愛称で親しまれており、豊橋駅から豊橋の中心部を経由して市東部の住宅を結んでいる公共交通機関です。

豊橋カレーうどん

豊橋市のご当地グルメ「豊橋カレーうどん」は、豊橋産ウズラ卵を使用し、カレーうどんの下にとろろごはんが入る斬新なメニューです。全てのうどん店が自家製麺にこだわり、豊橋のうどん文化を広めたい思いから生まれました。

この事業は「ふるさと融資」を活用しています。詳細はこちら。